教員から日本語の指導を受けるナタリーナ・スポダさん(右)=江津市江津町、はなまる日本語学校島根校
教員から日本語の指導を受けるナタリーナ・スポダさん(右)=江津市江津町、はなまる日本語学校島根校

 ロシアの侵攻を受けるウクライナから避難した女性が、江津市江津町の「はなまる日本語学校島根校」に通い始めた。全国の専門学校30校以上が連携した支援プロジェクトで同校が受け入れた。アニメクリエーターを目指し専門学校への進学を希望する女性を日本語の勉強と生活の両面からサポートする。 (村上栄太郎)

 ロシア国境に近いウクライナ北部チェルニヒウ出身のナタリーナ・スポダさん(28)。地元の学校で心理カウンセラーとして働いていたが、ロシア軍の侵攻により学校が閉鎖された。アニメ好きだったことから日本行きを希望し、支援機関の仲介で6月下旬、はなまる日本語学校のオンライン面接を受け、入校が決まった。

 ポーランド経由で今月16日に来日。19日から登校し、ネパールなど5カ国の留学生と机を並べ日本語の勉強を始めた。2024年3月まで学んだ後、アニメの専門学校への進学を希望している。

 スポダさんは「大きな川があり落ち着く。都会と比べ静かな環境が良かった」と江津を気に入った様子だが、チェルニヒウの自宅で今も暮らす母(55)のことを思うと、不安で仕方ないという。ロシア軍の激しい攻撃で町の建物の多くが破壊されているといい、「生活が落ち着いたら母を呼び寄せたい」と話した。

 支援プロジェクトに参加する同校はスポダさんに対し、渡航費の負担や学費の免除、当面の生活費の一部も援助する。

 ウクライナから最大5人の受け入れを想定し、留学生支援を目的としたクラウドファンディングで募集中の資金を活用する計画。柳原大作校長(43)は「安心して生活できる環境を整えるためにも支援の輪を広げたい」と話した。問い合わせは同校、電話0855(52)0885。