【松江】松江市殿町の松江歴史館で、大正から昭和の松江の景色をテーマにした企画展「松江今昔-美術と文学にみる風景のうつろい」が開かれている。時代とともに変容する城下の町並みや松江城天守を描いた絵画や写真43点が来場者の関心を引いている。9月25日まで。
城下町として栄え、宍道湖や島根半島の山々といった自然に恵まれた松江の風景は、画家や写真家だけでなく、明治時代に訪れたラフカディオ・ハーン(小泉八雲)に代表される文学の題材にもなった。
企画展は同館や島根県立美術館のほか、松江商工会議所や個人が所蔵する絵画、版画、写真、雑誌を一堂に展示する。1948年ごろの塩見縄手の松並木を彫った松江市名誉市民で版画家の平塚運一の作品や松江の情景を絶賛した芥川龍之介らの文学作品の一節を並べ紹介している。
来場した東京都世田谷区の磯谷真理子さん(67)は「思い抱いた松江の印象と絵が重なる部分が多くあった。すてきな作品が多い」と話した。8月23日以降の後期展示は作品を大幅に入れ替える。観覧料は大人500円、小・中学生100円。月曜休館。
(勝部浩文)