民謡・安来節の普及や振興に取り組む安来節保存会(本部・安来市古川町)が2021年度、会員の高齢化に対応し、70歳以上の准師範資格者が挑戦できる新階級「熟年師範」を設ける。師範への昇格のハードルが高いため、年齢を加味した審査が受けられる新階級の創設を決めた。 (渡部豪)

 全国に59支部、会員約2600人を抱える同保存会は毎年春に唄、絃(げん)、鼓、踊り、銭太鼓の5部門で資格審査会を開いている。技量などに応じて3級から名人までの11階級があり、会員の平均年齢は68・7歳。

 名人、准名人、大師範、師範に次ぐ階級の准師範資格者数は現在、延べ1551人で、全階級の中で最も多い。一方、師範への昇格率は約10%(5部門平均)といい、会員にとって狭き門となっている。

 加えて、現在の准師範資格者の65%が70歳以上。加齢による体力低下などで技術向上がままならず、安来節への意欲を失う会員も近年見受けられるという。

 こうした現状を踏まえ、安来節保存会は70歳以上の准師範資格者が希望した場合、師範にほぼ準じた「熟年師範」に挑戦できる制度を設けることにした。熟年師範になっても、師範への昇格審査は受けることができ、大師範以上への昇格の道も残す。

 同保存会の内田修次専務理事は「高齢会員が意欲的に楽しく活動を続けられる一助にしたい」と話した。