イラストを描く毛利フジオさん。故郷へ贈る作品の構想を膨らませている=東京都内
イラストを描く毛利フジオさん。故郷へ贈る作品の構想を膨らませている=東京都内
毛利さんが手掛けた「大人の塗り絵」
毛利さんが手掛けた「大人の塗り絵」
イラストを描く毛利フジオさん。故郷へ贈る作品の構想を膨らませている=東京都内
毛利さんが手掛けた「大人の塗り絵」

 東京を拠点に活動し、昭和中期を題材にした柔らかな作風で人気を集める雲南市加茂町出身のイラストレーター、毛利フジオさん(66)が故郷へ寄贈する作品を描き上げた。町内の施設から依頼を受けたA1判の大作で、昭和の記録写真を頼りに記憶に残る原風景を再現。10日に町内で始まる作品展に公開予定で「レトロな世界観でふるさとを表現した。ぜひ見にきてほしい」と話している。(白築昂)

 加茂交流センター(雲南市加茂町加茂中)の依頼を受け創作。昭和42~43(1967~68)年ごろに撮影された加茂町内の風景写真を土台に、写り込んだ山の稜線や木次線のディーゼル機関車を生かしつつ、昭和39(1964)年に町を襲った水害から復興する様子を描いた。「当時の風景を知る地元の人たちに懐かしんでもらえればうれしい」と公開を心待ちにする。作品展は同センターで31日まで、入場無料で開かれる。

 毛利さんは、専門学校でグラフィックデザインを学んだ。1997年の個展後、イラストレーターとして本格的に活動を始め、展示会への出品やCDジャケットを手がけるなど幅広く活動を続けてきた。

 ライフワークとするレトロ調のイラストを収録した「大人の塗り絵」シリーズは6冊目の最新刊をこのほど出版。少年時代の記憶をたどってイメージした田園風景や海岸沿いを走る一畑バスを描写するなど、随所に島根を思わせる景色をちりばめている。