見学コースを整備した佐々木準三郎記念館=江津市都野津町
見学コースを整備した佐々木準三郎記念館=江津市都野津町
新たに設けた見学スペースで棟札のレプリカを眺める地域住民=江津市都野津町
新たに設けた見学スペースで棟札のレプリカを眺める地域住民=江津市都野津町
見学コースを整備した佐々木準三郎記念館=江津市都野津町
新たに設けた見学スペースで棟札のレプリカを眺める地域住民=江津市都野津町

 江津市都野津町のまちづくり協議会が、国の登録有形文化財の「佐々木準三郎記念館」(旧都野津町役場)の屋根裏にスペースを設け、棟札のレプリカ、案内板を整備し、見学できるように改装した。役場の建設費を全額寄付し「都野津の恩人」とたたえられる実業家の佐々木準三郎氏(1889~1945年)を語り継ぐ場所として魅力を高め、町内外からの見学者の受け入れを進める。(村上栄太郎)

 1937年建造の石州赤瓦を使った瓦ぶきの木造2階建て210平方メートル。軒下を塗り壁、外壁はくしで溝をつけるスクラッチタイル貼りで構成する。公民館にも使われ、佐々木氏をたたえて2020年に現在の名称に変更し、21年には国の登録有形文化財となった。

 見学コースは今年3月に整備開始。棟札(縦100センチ、横20センチ)には建設費を佐々木氏が寄付したことなどが記されているが、観賞しにくい柱に固定されていることから、広さ8平方メートルのスペースを作り、原寸大のプラスチック製レプリカを設置した。建物の歴史や概要が分かる案内板、屋根裏に上がる階段も設けた。

 13日に住民向けの披露会があり10人が参加。協議会の佐々木一幸会長(74)は「佐々木氏の功績と地域の象徴を広く知ってもらえるよう、環境を整えたい」と意気込んだ。

 見学無料。平日午前9時~午後4時で、事前申し込みが必要。問い合わせは都野津地域コミュニティ交流センター、電話0855(53)0453。