古代への情熱、宝探しに向かう考古学者に「ロマンチスト」をイメージする人は多いかもしれない。だが観察やデータに基づく地道な研究が考古学の基本。とりわけ島根大法文学部考古学研究室准教授の岩本崇(50)は、実物を自分で見て実証的なアプローチを徹底し、周囲の研究者にも「ストイック」「仕事がきっちりしている」と映る。

#(上)「鏡」を求めて全国各地へ
#(下)出雲の古墳に独自の視点

 学生時代も、研究者として第一線に立つ今も、鏡を見るため全国を飛び回り、発掘現場の作業で知らないうちに体力がついた。夜な夜な研究するうち、窓の向こうに朝焼けが広がっていたこともよくある。

古墳が海を越えた先にも

 生まれ育ったのは古墳が身近にある...