島根県庁
島根県庁

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く島根県内で、20代の感染が目立っている。3年ぶりに政府による行動制限がないお盆休みとなり、県は大学生ら若者の帰省が増えたことが主因と分析している。感染者が多く分析が追いついていないが、会食の場での感染も一定数あるとみて、注意を呼びかけている。

 県内の1週間の感染者数(人口10万人あたり)は8月以降、800~900人台で推移し、14日時点で855・5人。行動制限がないことに加え、県内の感染状況が全国より高水準のため、県はお盆期間中の帰省自粛は求めておらず、7月15日に851・7人だった19~29歳は10日時点で1353・4人に増えた。

 7月下旬以降、県が公表するクラスターは高齢者福祉施設や児童福祉施設が中心だが、県感染症対策室の田原研司室長は、保健所の業務逼迫(ひっぱく)で飲食店などでの感染が追い切れなくなっているためと説明。会食中の感染が減っているわけでないとして「マスクを外して会話する以上は、高い感染リスクがあることを理解してほしい」と強調する。

 一方、7月15日に2351・9人だった18歳以下は、夏休み期間中で接触機会が限られるため1516・0人に減少。親世代の30~49歳もほぼ横ばいで、夏休みに伴い、家庭内にウイルスを持ち込むケースが減ったことがうかがえる。

 7月以降で全ゲノム解析した県内感染者の検体232件のうち、85%がオミクロン株の「BA・5」。県は免疫をすり抜けるとされる新たな派生型「BA・2・75」(通称・ケンタウロス株)の流入についても注視している。
     (佐々木一全)