今春入社し、いくつか、取材を経験した。覚えることの多さよりも、考えることの多さに戸惑っている。ニュースのポイントは何か、伝えるべきことは何か、頭をフル回転させ、取材し、記事を書いている。

 例えば、同期入社の記者と一緒に初めての取材となった、松江市出身の政治家・若槻礼次郎と宍道湖の嫁ケ島に植わるマツとのゆかりを紹介する企画展示でも、考えさせられた。礼次郎の漢詩に嫁ケ島への思い入れを感じ取り、原稿に盛り込んだのは良かったと思うが、他の記者と見比べて気づくと「基礎的な情報がない」。会場や展示期間がすっぽり抜け落ちていた。

 「知りたいことのおおよそ半分はネットや本で調べれば分かることだ。『もう半分』を知るためには、自分で考え出すか、経験するしかない」。漫画『宇宙兄弟』(小山宙哉)の登場人物の言葉だ。

 新聞記者にも通じる教えだと思う。単に情報を伝達するのではなく、自分なりの価値観や主張を加えることで、記事は深みを増すはずだ。読者に伝えるべき情報を押さえつつ、どう「私の視点」を出すか。これからも考えていきたい。 (Sデジ編集部・宍道香穂)