【出雲】空き家の発生予防や利活用対策を学ぶ住教育セミナーが25日、鳶巣コミュニティセンター(出雲市東林木町)であり、近隣の住民ら10人が参加した。参加者は誰しもが直面する問題と認識し、住まいの終活などに早めに対処する必要性を学んだ。
住教育推進機構島根第一支部が主催。全国古民家再生協会島根第一支部(金築邦彦支部長)の古民家鑑定士1級と住教育インストラクターの坪倉純子さんが講師を務めた。
坪倉さんは、空き家にしないために、所有者が元気なうちに不動産の所有リストや登記名義人などの情報を明確にし、空き家になった時に貸すか売るか壊すかといった希望を相続人に伝える住まいの終活を提案。「空き家になりそうになったら行政機関の専門家に早めに相談し決断することが大事」と説いた。講演の後に参加者が各自が持つ家に関する悩みを話し合った。
実家に住む会社員金築翔子さん(30)=出雲市東林木町=は「いずれ自分の問題にもなる。解決するには早く行動しないといけないと学んだ」と話した。
空き家対策特別措置法に基づき、空き家を10年以上放置すると特定空き家に指定され、行政からの指導、勧告があり、命令に反すると行政代執行として解体される。出雲市建築住宅課空き家対策室によると、2020年度末で市内の空き家の推計値は約3千件。(井上雅子)