今夏公開された映画「ソー ラブ&サンダー」の楽曲に使われ、ヘヴィメタルバンドのガンズ・アンド・ローゼズに再び光が当たっているという。ネットで予告動画を見てみると、流れてきた曲はヒット作「スイート・チャイルド・オブ・マイン」。青春時代の思い出がよみがえった。
記者のような団塊ジュニア世代は多感な中学高校時代に1980年代後半のメタルブーム最盛期の洗礼を受けた。男子の間ではお気に入りのバンドの名が飛び交ったもの。記者は友人の勧めでオジー・オズボーン(ブラックサバス)から入った。現在はメタルよりもインダストリアルロックのナイン・インチ・ネイルズやミニストリーの方をよく聴くが、オジーとガンズは今も好きで懐かしくなる。
87年のアルバム「アペタイト・フォー・ディストラクション」収録の「スイート―」は、恋人への思いを歌うアクセルのボーカルより、スラッシュのギターで聴かせるバラード。後半の泣きのギターソロは胸に迫る。「Where do we go?」という歌詞を繰り返す終盤も何だか意味深だ。
アクセルの個性的なボーカルがよく味わえるのは、ボブ・ディランの曲「ノッキン・オン・ヘヴンズ・ドア(天国への扉)」のカバーだろう。「ヘヴンズ・ドォウォオォ」という、ねっとりとした歌い方が耳に残る。ズンチャカ、ズンチャカと軽快なリズムでカバーし「ヘヴンズ・ドォ」と、さらっと歌うエリック・クラプトンと対照的だ。

ちなみにAC/DCの曲「ホール・ロッタ・ロージー」をカバーしたライブ演奏は、とりあえずやってみましたという軽さが漂う。AC/DCの重厚な演奏と趣が違い、これはこれで面白い(輸入物の怪しげなライブ盤「NICE BOYS」に入っていた)。「アンガス! アンガス!」とAC/DCのギター奏者の名前を連呼する観客の乗りもほほ笑ましい。
ガンズの曲はイントロも秀逸。「スイート―」はギターの音色が切ない。「ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル」はディレイ(山びこ効果)をかけたギターが不気味な緊張感を醸し出す。「パラダイス・シティ」は静かに始まり、じっくりと盛り上げる。
今の若者に長いイントロやギターソロのある曲は好まれないらしい。メタルはまさにそれ。ガンズをきっかけに見直されるといい。
(志)
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