写真の巨匠・土門拳(1909~90年)の作品展が10日、安来市広瀬町布部の加納美術館で開幕した。土門が好んだという国宝・三徳山三仏寺投入堂(鳥取県三朝町三徳)の雪景色など約110点が並び、足跡をたどれる。10月24日まで。
土門拳記念館(山形県酒田市)のコレクションの全国巡回展の一環。ライフワークの「古寺巡礼」、「日本人と戦争」「昭和のこどもたち」「風貌」の四つのテーマで作品を並べた。
山中の崖にある投入堂の写真「三仏寺投入堂全景」(1967年)は、脳出血で倒れて右半身不随になった土門が登山家3人に抱えられるようにして登って撮った。弟子で機材を担いで同行した藤森武さん(80)=土門拳記念館学芸担当理事=は「投入堂を気に入り、どうしても雪景色を撮りたいと言って登った。土門が一番好きな作品かもしれない」と撮影秘話を明かした。
このほか目を引くのは「母のない姉妹」「るみえちゃん」(ともに59年)。父が病に倒れ、母は出稼ぎで不在となった小学生姉妹を撮った作品とその姉だけの写真であどけない表情が胸に迫る。土門自らも子どもの頃に貧しい生活を送ったほか、幼い娘を水難で失った経験があり、子どもの写真をよく撮ったという。
開館は午前9時~午後4時半で火曜休館。観覧料は一般1100円、大学・高校生550円、中学生以下無料。
(桝井映志)













