チューリップを眺めて笑顔を見せる家族連れ=出雲市斐川町今在家
チューリップを眺めて笑顔を見せる家族連れ=出雲市斐川町今在家

 出雲市斐川町今在家で11日、チューリップまつりが始まり、赤や黄、桃色など色とりどりの花景色が訪れた人々を魅了している。町内で35年前から続いてきた恒例行事は最終日の12日で幕を閉じる。

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 近くの栽培農家北村一夫さん(71)が妻の宏子さん(64)や仲間たちの手も借りながら育て上げた。70アールで、八重のイエローボンボネットやボーグなど30種25万本が花開いた。県内外から家族連れや旅行客が訪れ、風に揺れる様子を眺め、写真に収めた。

 バスツアーで初めて訪れた広島県呉市の会社員志々田秀彦さん(72)は「雑踏の中での生活とは全く違う景色。気持ちが楽になる」と話した。家族で毎年楽しみにしていたという近くの会社員香川恵梨さん(33)は「色の並びにも作っておられる方の思いを感じる。最後だから一つ一つ見たい」と惜しんだ。

 出雲市立中部小4年の遠藤菜々子さん(9)は友人とハートのポーズで写真を撮り「きれいだし楽しくて、いい思い出。来年も再来年も見たい」と無邪気に話した。

 町内でのチューリップ栽培は一時、複数戸で計12ヘクタールに広がったが、高齢化などで17年からは北村さんのみが続けてきた。

 体力面も考えて今年で幕を引くことを決めた北村さんは、「強風の中でたくさんの方に来ていただき、やって良かったと感じている。あんまり言うと泣きそうになる」と照れ笑いし、「花びらが散る前に見に来てほしい」と呼びかけた。

(今井菜月)