未成線・広浜鉄道今福線の模型を眺める江津工生徒=江津市江津町、江津工業高校
未成線・広浜鉄道今福線の模型を眺める江津工生徒=江津市江津町、江津工業高校

 江津工業高校(江津市江津町)の3年生が、浜田―広島間を結ぶ鉄道として戦前戦後に2度計画された未成線・広浜鉄道今福線の模型を制作し、全国高等学校鉄道模型コンテストでベストプレゼンテーション賞(10校)に選ばれた。生徒たちは、夢幻の路線に光が当たり観光振興の一助になればと願う。 (村上栄太郎)

 建築・電気科3年の田原城斗さん(17)、田中春瑠さん(18)、森口智陽さん(17)の3人が自由テーマで学びを深める課題研究の一環で、コンテスト出品を目指し6月中旬に制作を始めた。プラモデル販売の地球堂模型(浜田市朝日町)が技術指導や材料提供で協力した。コンテストは全国154校が参加し、ベストプレゼンテーション賞は最優秀賞、優秀賞に次ぐ。

 3人はインターネットで画像を検索したほか、実地調査も行い、150分の1の図面を作製。橋りょうや山、小川などを再現し、幅90センチ、奥行き30センチ、高さ10センチのジオラマ模型を約2カ月かけて仕上げた。

 完成した模型は「おろち泣き橋」と呼ばれるコンクリート製4連アーチ橋のほか、戦後の新線(第一下府川橋梁(きょうりょう))と戦前の旧線(4連アーチ橋)が交差するスポットなどを配置した。戦前の計画で起点だったJR下府駅(浜田市下府町)に「幻の3番線」を設け、車両が走る想像をかき立てる工夫を凝らした。

 田中さんは「広浜鉄道の全国での認知度は低いが貴重な観光資源。魅力に触れる機会になればうれしい」と話した。

 ジオラマは来年2月以降、貸し出しを受け付ける。問い合わせは同校、電話0855(52)2120。