絵本「春ちゃんは元気です」のパネル展示に見入る来訪者=松江市大輪町、島根県赤十字血液センター
絵本「春ちゃんは元気です」のパネル展示に見入る来訪者=松江市大輪町、島根県赤十字血液センター

 白血病で骨髄移植を受けた子どもを主人公にした絵本「春ちゃんは元気です」のパネル展示が、松江市大輪町の島根県赤十字血液センターで始まった。新型コロナウイルス禍の影響で、移植の橋渡し役となる骨髄バンクのドナー登録会が思うように開けない中、制度への理解と支援、献血と合わせた新規登録を呼びかけている。10月13日まで。 (勝部浩文)

 骨髄バンクを運営するヘルスサイエンスセンター島根(出雲市)によると、島根県内の2021年度の新規登録者は297人で、ピークの18年度の608人の半数以下。コロナ禍の影響で、大型店などで登録を呼びかける機会を奪われていることが減少の要因で、パネルは新規登録の必要性を訴えようと展示された。

 絵本は、4歳で白血病になった「春ちゃん」の実話。病気の再発により2度の移植を受け、闘病生活を乗り越えて中学生になるまでが、父親の松田のぶおさんの文とイラストで描かれている。

 全39ページを1ページずつA3大に拡大し、前期(26日まで)と後期(27日~10月13日)に分けて展示。献血目的で訪れ、ドナー登録もした松江市学園2丁目の大学生中上公信さん(20)は「骨髄移植のことがよく分かった。登録することで少しでも力になりたい」と話した。

 このほか、献血者数も22年度は前年度より1割少なく、特にA、O型が不足しているとして、県赤十字血液センターが協力を呼びかけている。