台風14号に備え、岸壁に船を係留する乗組員ら=18日午後3時21分、浜田市原井町
台風14号に備え、岸壁に船を係留する乗組員ら=18日午後3時21分、浜田市原井町

 強い勢力を保ったまま19日明け方から夜にかけて山陰両県に最接近する台風14号の影響で、両県の自治体や公共交通機関は18日、対応に追われた。 (佐々木一全、青山和佳乃)

 島根県吉賀町は同日夕、大雨による浸水や土砂災害の危険があるとして、警戒レベル3の「高齢者等避難」を発令し、移動に時間のかかる高齢者や障害者に避難を促したほか、県西部などの8市町村が約50カ所の避難所を開設した。

 鳥取県は災害警戒本部会議を開き、新型コロナウイルスの在宅療養者の避難先を確保するよう市町村に求めた。

 観光施設も台風に備え、宍道湖自然館ゴビウス(出雲市)、三瓶自然館サヒメル(大田市)、しまね海洋館アクアス(浜田市、江津市)などが19日の臨時休館を決めた。

 多くの漁船が停泊する浜田漁港(浜田市原井町)では、漁師らが船をロープで停留し、備えた。給油船の甲板員の浜田修一さん(68)は普段の倍の8本のロープを船首や船尾を入念にくくりつけ、「想定外のことが起きるかもしれないが、できることはやったつもりだ」と話した。

 公共交通機関の多くは19日、計画運休を実施する。JRは山陰線の出雲市―益田駅間の普通列車を終日運休するほか、伯備線や木次線の一部区間で減便する。

 一畑電車は始発から全便の運転を見合わせる。松江、出雲両市内を走る路線バスは午前10時以降に出発する全便を運休。高速バス各社は減便の対応を取る。隠岐汽船は全便欠航する。

 空の便は島根県内3空港で全便欠航し、米子、鳥取両空港は羽田を結ぶ午後出発の2便と到着3便が欠航する。