短歌 宮里勝子選

ゆるやかに5字を切ってすべりゆく堀川まわる船頭一人      松 江 糸川 京子

 【評】櫓(ろ)のさばきがあざやかな船頭さんの様子から、松江の堀川をめぐる船の動きが 目の前に浮かびます。結句の船頭一人が印象に残りお客さんは乗せていないと思いました。結句が、遊覧船はとなると船が主体となります。

来る年は人麿没後千三百年下手な歌詠み人麿偲ぶ         益 田 小川  勉

 【評】益田市の柿本神社は全国にあまたある中の本社といわれ、万葉集以外に資料がなく、人麿さんは...