東京電力福島第1原発で増え続ける処理水の海洋放出に向け、海底トンネルの掘削など放出設備の工事が8月に始まった。東電は来年春ごろの放出開始を目指すが、工事は遅れており、来年夏以降にずれ込む可能性もある。風評を懸念する漁業者らの理解を得る見通しも立っておらず、計画通りに進むかは不透明だ。

 処理水は、含まれる放射性物質トリチウムの濃度が国の基準の40分の1未満になるよう大量の海水で薄め、海に流す。放出を始めても処理水は増え続けるため、完了まで...