極美展の参議院議長賞に輝いた自作「ホーランエンヤ(日本三大船神事)」と並んで立つ野々村直通さん=松江市殿町
極美展の参議院議長賞に輝いた自作「ホーランエンヤ(日本三大船神事)」と並んで立つ野々村直通さん=松江市殿町

 開星高校野球部監督で元美術教員の野々村直通さん(70)=雲南市加茂町加茂中=の描いた油彩画が、新極美術協会主催の全国公募展「極美(きょくび)展」の参議院議長賞に選ばれ、上位入賞を果たした。日本三大船神事「ホーランエンヤ」の情景を華やかに表現。「評価してもえらえてうれしい。画業への励みになる」と喜ぶ。

 新極美術協会は1996年設立の美術団体で、毎年開く極美展には油彩画、日本画、水彩画など全国から幅広く作品が寄せられる。今年は約400点の応募があり80点が入賞。参議員議長賞は最高の極美大賞などに次ぐ第4位に値する。

 野々村さんは2015年に松江市内に似顔絵ギャラリーを開設。野球部監督と平行して画業に励み、同協会の理事も務める。

 80号サイズの入賞作「ホーランエンヤ(日本三大船神事)」は、19年5月に松江市内で10年ぶりにあったホーランエンヤが題材。見えを切る剣櫂(けんがい)を中心に5人の舞い手を前面に押し出し、きらびやかな神事の雰囲気を醸す。後景には大橋川に浮かぶ船団や、宍道湖が望まれ、祭りの規模の壮大さを伝える。19年当時にも同神事を題材に作品を描いており、今回は続編。

 極美展は28日~10月5日に東京都美術館(東京都台東区)で開催した後、10月15日~11月13日は今岡美術館(出雲市天神町)で山陰の巡回展が開かれる。

 野々村さんは「野球の合間を縫いながら丹精込めた自信作。ホーランエンヤの雰囲気を絵で体感してほしい」と話す。