レジャー施設運営などの(株)ラウ(松江市西川津町、秋森誠社長)と、工務店の(株)いちい(同市玉湯町湯町、渡部智司社長)が組み、屋外に設置できる箱形のサウナ「CUBIC SAUNA神有」を開発した。側壁に大きなガラス面を張ったおしゃれな仕様で、島根県産の木材やサウナ石を用いた。近年のサウナブームの波に乗り、全国販売を目指す。
試作版を4月に完成させた。サウナの基本仕様は、幅1・9メートル×奥行き4・6メートル×高さ2・5メートルで、定員は6人。木造で、主として県産のヒノキやスギを利用しており、重量は約2トン。
「自然との調和」のコンセプトに照らし、熱源は電気ではなくまきストーブを採用。フィンランドの人気メーカー・ナルヴィ社製を使う。サウナ石は、同市八雲町産の安山岩だ。約3万年前のマグマが固まってできた石で、耐熱・耐久性に優れるという。
電源が要らない完全独立型のため、さまざまな場所に置けるのが特徴だ。試作1号機は飯南町小田のレジャー施設「もりのす」併設の屋外サウナスペースで稼働しており、森林を満喫しながらのサウナ体験が人気を集めている。
2社は今後、全国の宿泊事業者などに向け、売り込みを強める。9月上旬には都内で開かれた見本市「第2回サウナフェア」にも出展し、20件ほどの成約を取り付けた。受注後に島根で組み立て、顧客に発送する方式で、本体価格は基本サイズベースで税込み275万円。現地施工費は同58万円で別途送料がかかる。
いちいの渡部社長(46)は、工務店の施工品質で海外製の組み立て式サウナとの差別化を図る考えで、「新たなビジネスチャンスで、認知が高まれば本業に波及する可能性もある」と期待する。
サウナ施設運営の実績を持つラウの秋森社長(51)も「サウナだけを目的に県外からやってくる人も増えており、施設集客の新たな目玉になり得る。島根産サウナを全国に広げたい」と話した。