国体に向け練習に励む豊島有壮さん=境港市新屋町、境港公共マリーナ
国体に向け練習に励む豊島有壮さん=境港市新屋町、境港公共マリーナ

 新型コロナウイルスの影響で過去2年は開かれず、3年ぶりの開催となった国民体育大会(いちご一会とちぎ国体)は10月1日に本大会が始まる。選手にとっては全国の舞台で練習の成果を発揮する機会が増えることになり、最終調整に余念がない。少年男子セーリング・レーザーラジアル級の豊島有壮さん(18)=松江高専3年=もその一人。優勝を目指し、懸命に帆を操る姿を追った。 (景山達登)

 広島市出身の豊島さんにとって国体に出るのは、中学生時代に広島県の少年男子代表として出場した2019年の茨城国体以来2度目。松江高専では1年時にインターハイと国体、2年時には国体が開かれず、他の世代に比べて全国の舞台で結果を残す機会が少なかった。

 過去3度日本代表に選ばれるほどの実力を持ち、茨城国体では6位入賞を果たしたが、学業のため表彰式には参加できず、8位以上の選手が対象となる表彰台に上ることはできなかった。それだけに、国体の表彰台への思い入れは強く「2年間は国体がなかったので表彰台に上る機会が減り、残念だった」と振り返る。

 豊島さんにとって今回の国体は、インターハイでの悔しさを晴らす場でもある。今夏の四国総体では、3位以上に入るチャンスがあったが競技最終日にリコール(フライング)をし、6位に終わった。「今回の国体は少年男子として参加できる最後の大会。何としても優勝したい」と、境港市などで練習を続ける。

 近年、島根はセーリング競技での得点が伸び悩んでおり、30年に島根県で開催される国民スポーツ大会(現国体)に向け、豊島さんに対する競技関係者の期待も大きい。本人もそのことを自覚しており「自分が活躍して得点が伸びれば、うれしい。30年の国スポにも出たい」と力を込める。

 栃木国体の本大会は10月1日から11日まで栃木県内を中心に開催され、セーリングは2日から4日間、千葉市である。