【奥出雲】「たたら製鉄」の操業体験を通して、理系の学習への理解を深める授業が3日、横田高校(島根県奥出雲町稲原)であった。1、2年生が簡易式の炉を造り木炭と砂鉄を入れて、鉄を作った。
「たたら製鉄」は奥出雲町で、かつて盛んだった。授業では東京工業大の永田和宏名誉教授が考案した、耐熱れんがとコンクリートブロックを用いて炉を造り、電動の送風機で風を送る技法を取り入れた。粘土で造った本格的な炉による操業より、短時間で鉄ができる。
3日は生徒約40人が参加。力を合わせて造った縦40センチ、横60センチ、高さ160センチの炉に、砂鉄20キロ、木炭60キロを2時間にわたって交互に入れた。
1年の今岡優梨菜(ゆりな)さん(15)は「事前にあった物理の授業で、たたらでできた鋼を使った製品は強いものができると学んだ。すごいと思った」と話した。
出来上がった鉄は、実験での活用のほか、大学と連携した成分調査なども検討する。
(狩野樹理)