ブロック状に成形した釜土を積み重ね炉を築く参加者(右)=安来市安来町、和鋼博物館
ブロック状に成形した釜土を積み重ね炉を築く参加者(右)=安来市安来町、和鋼博物館

 【安来】古代たたらの復元操業が、安来市安来町の和鋼博物館で行われており、市民や研究者、学生ら約60人が参加し古来の製鉄技法を体感している。日刀保たたら(島根県奥出雲町大呂)の村下(むらげ)(技師長)木原明さん(86)らの指導を受け7日は炉を築いた。8日に操業する。

 新型コロナウイルス禍で2020年、21年と中止しており3年ぶりの開催。3日から館の前の広場に土を盛って炉床を築き、穴を掘って木材を焼いて炭にして突き固めたり、釜土をブロック状に成形したりと準備を進めてきた。

 7日は上部、中部、下部の3段階に分けて炉床の上に炉を築いた。ブロック状の釜土を積んで成形し火をたいて乾燥させる作業を繰り返し、内寸0・3メートル×0・5メートル、高さ1・2メートルの炉を築いた。

 日本遺産「出雲國たたら風土記~鉄づくり千年が生んだ物語~」(安来市、雲南市、奥出雲町)のガイド拠点として体験機能を強めようと今回初めて一般にも門戸を広げた。遠くは愛知県や福岡県からも公募に応じた10人が加わった。

 たたら製鉄に興味を持ち大阪府から雲南市に移住したという松江工業高校教諭の菅原夏樹さん(36)は「(操業で)火が出ているところは華やかだが、下準備が大変だなとつくづく感じた」と話した。

 (桝井映志)