事件事故イメージ
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 10日午後11時ごろ、浜田市弥栄町小坂で80代男性が自宅の外にいたところをツキノワグマに襲われ、背中から左脇腹にかけて4カ所を引っかかれるけがをした。かすり傷程度で命に別状はないという。島根県によると、クマに人がけがをさせられるのは県内では今年初めてで、県や浜田市が注意を呼び掛けている。

 浜田市弥栄支所産業建設課によると、現場は弥栄小学校から東に約3キロ入った民家が点在する山あいの地域。男性は自宅の外に設置したトイレから戻る途中で背後から襲われた。翌11日に弥栄町内の診療所で治療を受けた。クマは男性宅の裏山に逃げ、体長など詳細は不明。

 男性の近隣住民を通じて11日朝、市に情報提供があり、県などが捕獲用のおりを裏山に1基設置した。市は町内の防災無線や防災メールで注意を促し、13日まで現場付近を巡回する。

 クマに人が襲われるケースは昨年、県内では2件発生した。浜田市三隅町内で70代男性と40代女性の2人、益田市内で50代男性がそれぞれ頭や腕などをかまれた。県は家の近くに果樹があると、動物を寄せ付けやすくなるため、早めに果実を収穫しておくなど対策を求めている。

 浜田市の記録では、同市内のクマの目撃件数は4~9月の半年間で100件。2021年同期の129件、20年同期の200件と比べると減っている。
      (宮廻裕樹)