来年10月の第8回戦国尼子フェスティバルに向け、月山富田城跡のお膝元、安来市広瀬町広瀬で市民グループが紙製の精巧な甲冑(かっちゅう)作りに励んでいる。5年に1度のフェスタのほか各種イベントに鎧(よろい)武者姿で出掛けて盛り上げに一役買う。紙とは思えない出来栄えが好評だ。
(桝井映志)
グループは2004年に発足した「出雲尼子を興す会 手づくり鎧かぶと部会」。甲冑は、厚紙で作った30種類のパーツに色を付け、布と組み合わせ、多彩な色のひもで飾り付ける。重さ10キロ程度と本物の3分の1の重さながら、重厚感は本物そっくりだ。
フェスタ開催の節目を控え、生徒を募って今年6月に制作を始めた。副部会長の野々村勝人さん(71)=松江市東朝日町=の指導を受け、生徒19人が月に2~3回、町民会館に集まって制作する。1人が1領、年内の完成を目指す。
野々村さんは07年に制作に参加して魅力に引かれ、指導役となった。趣味のウインドサーフィンでFRP(繊維強化プラスチック)の加工経験を生かして改良を進め、現在の完成度に至った。これまでに150領ほど手がけた中でお気に入りはメタリックブルーの甲冑だという。「本物は黒や赤に色が限られるが、紙製の甲冑は好きなように作れるのが魅力だ」と語る。
フェスタは実行委員会主催。来年10月21、22両日に地元の三日月公園や飯梨川河川敷を会場に開く。内容は武者行列などを想定している。