川島 真氏 東大教授

呉 軍華氏 日本総研上席理事

河野 龍太郎氏 BNPパリバ証券チーフエコノミスト

 中国新指導部が発足し、習近平・共産党総書記(国家主席)が異例の3期目へと踏み出した。5年に1度の党大会を経て、習氏の長期1強支配をにらむ人口14億の巨竜。川島真・東大教授、呉軍華・日本総合研究所上席理事、河野龍太郎・BNPパリバ証券チーフエコノミストがその針路を論じ、課題を展望した。

 ―習近平・共産党総書記(国家主席)への権力集中が一段と進んだ。

 川島 習氏は経済政策を巡り、確執が取りざたされた李克強首相や汪洋・人民政治協商会議主席を退任させ、李強氏ら「子飼い」で新たな最高指導部を固めた。ここまで「異分子」を排除するとは思わなかった。

 習氏は2049年の建国100周年までに米国に追い付き「社会主義現代化強国」にな...