地上約20メートルにあり「天空の駅」と呼ばれた旧JR三江線宇都井駅(島根県邑南町宇都井)が照明で浮かび上がる「INAKAイルミ」の試験点灯が18日夕、現地であった。発光ダイオード(LED)や光ファイバーが幻想的な光景をつくり出し本番(19、20日)の準備が整った。
地元住民でつくる実行委員会が廃線前の2010年に始めた恒例イベント。約10万球のLEDが青い光で旧駅舎などの鉄道遺産を照らし、黄金の稲穂に見立てた光ファイバーが周りの農地で揺れる。
実行委メンバーやボランティアが日中、照明を設置。暗くなるにつれてムードが増す光景に、三次宏昭委員長(66)は「今年も来たなという感じ。天気も持ちそうなので、多くの人に来てもらいたい」と話した。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため20年は無観客、21年は人数制限付きの開催だったが、今年は3年ぶりの通常開催。鉄道遺産を観光資源として活用するNPO法人江の川鉄道によるトロッコの夜間乗車体験や、屋台の出店もある。
19、20日とも、日没後に点灯。トロッコ運行は午後5時から40分ごと(最終便は午後8時20分発)。会場周辺は駐車場がなく、羽須美中学校グラウンドからシャトルバスを運行する。問い合わせは実行委、電話090(8170)9894。
(糸賀淳也)