サッカーワールドカップ(W杯)カタール大会1次リーグ最終戦で日本は12月2日朝、スペインとの大一番を迎える。レアル・マドリードやバルセロナといった世界的人気クラブがあるスペインは、攻撃的で華麗なパスサッカーで世界中のファンを魅了する。同国にサッカー留学した経験がある開星中学校・高校サッカー部の佐藤友馬コーチ(41)は攻撃的な相手だからこそ、日本に勝機があるとみる。
「スペインは積極的に動いて攻めてくるので、立ち向かう日本も武器とするスピードが生かせるはず。ピンチにも、チャンスにもなる」と佐藤コーチ。
開星高校卒業後に4年間、スペイン北西部ラコルーニャで、スペインリーグ4部のクラブチームに所属し、MFとして活躍した。
同世代のスペイン選手のプレーには驚かされた。「点を取りにいく、ボールを奪いにいくといった攻守の切り替えがプロ並みに速かった」と記憶する。テレビで試合中継が週4日はあり、夏は午後10時ごろまで明るいのでボールを蹴る時間が長い。サッカーが生活にしみこんでいた。
技術や体力面で日本人選手との差は大きくないとみる。スペインの強みは流動的な試合展開の中で、局面を打開する発想と機転なのだという。「どこにパスがいくのか、予測が難しくマークしづらい」と話す。
特に中盤のガビ、ペドリ、左サイドのオルモの意表を突いたパス回しに対応できるかどうかを、ポイントに挙げる。攻撃性が高いゆえ、スペインの守備ラインは高く背後にスペースがある。ボールを奪えば、日本も三笘薫や伊東純也らスピードのある選手が豊富で好機になると予測する。
日本が戦う1次リーグE組はどのチームにも、決勝トーナメント進出のチャンスがある。佐藤コーチは「絶対に負けられないスペインも本気で勝ちにくる。日本とはかみ合い、面白い試合になると思う」と好試合に期待した。 (井上雅子)