男子・大崎翔也(広島市、中電工) 中盤に抜け出し独走
男子で総合優勝した大崎翔也(広島市、中電工)は中盤に抜け出すと、最後は2位に3分48秒の大差をつける2時間21分44秒でゴールテープを切った。かつて社会人チームでも走った31歳は「現役時代には及ばないが、狙っていたタイムを出せた」と笑顔を見せた。
序盤のハイペースなレース展開で他の選手の体力が削られた中盤以降に力の違いを見せた。20キロ付近で先頭集団の選手たちが伸び悩む中でもペースを落とさなかった。
トップに立ったものの29キロ付近まで2位の選手との競り合いが続き、「精神的にも、体力的にもプレッシャーがすごかった」と振り返ったが、自分の走りを貫き徐々にペースを上げて突き放すと、その後は独壇場だった。
鳥取中央育英高で陸上を始め、大東文化大を経て中電工に入社。現役を引退した現在は、同社陸上部マネジャーを務める。次の目標は来年2月に開催される世界遺産姫路城マラソン。「気持ちに余裕を持って臨んで、結果を残せた今回のレースは自信になった」と充実感をにじませ、松江と同じ城下町で行われる次のレースに向け、意欲を燃やした。 (小林竜大)
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女子・筒本恭実(広島市、広島県庁RC)ペース保ち初の栄冠
女子は、筒本恭実(広島市、広島県庁RC)が、フルマラソンでの初優勝を果たした。目標の2時間55分を切る2時間51分15秒をマークし、「(優勝が)私でいいのかなと思うくらい、ものすごくうれしい」と喜びを口にした。
5年前、ダイエットのためにマラソンを始めた。長い距離を走ることに、つらさを感じる時もあったというが「走り終わった時の達成感が好き」とすぐに競技の魅力にはまった。
11月に岡山県であった大会ではスタートから飛ばし過ぎたため、後半に歩く場面もあったというが、初出場となった国宝松江城マラソンでは、前回大会の反省を生かした。
最後まで一定のペースを保つことを目標とし、無理のないペースでスタート。それでも序盤から女子の先頭を走り、30キロ地点では「もしかしたら優勝できるかも」と心に余裕が生まれた。
30キロ過ぎからの長い上り坂でも、対策として山道を走り込んだ成果が表れ、「思ったより急な坂ではなかった」と、難なく乗り越えた。優勝を果たしたことで、今大会は思い出に残る大会となった。「中海が両側に見えて、すてきなコースだった。また参加したい」と晴れやかな表情を見せた。 (小引久実)