大粒で鮮やかな紅色が特徴の島根県オリジナルブドウ「神紅」(ポーラ提供)
大粒で鮮やかな紅色が特徴の島根県オリジナルブドウ「神紅」(ポーラ提供)
神紅の栽培過程で摘み取られる副梢(ポーラ提供)
神紅の栽培過程で摘み取られる副梢(ポーラ提供)
ポーラと島根県、島根大が連携し開発した美容液「ハンドコンフィチュール」(ポーラ提供)
ポーラと島根県、島根大が連携し開発した美容液「ハンドコンフィチュール」(ポーラ提供)
大粒で鮮やかな紅色が特徴の島根県オリジナルブドウ「神紅」(ポーラ提供)
神紅の栽培過程で摘み取られる副梢(ポーラ提供)
ポーラと島根県、島根大が連携し開発した美容液「ハンドコンフィチュール」(ポーラ提供)

 島根県、島根大、化粧品大手のポーラ(東京都)が連携し、県オリジナルブドウ「神紅(しんく)」の栽培時に間引かれる芽から抽出したエキスを使い、手指用の美容液を作った。島根大の研究で、芽に肌を保護する成分が含まれることを突き止めた。県は標榜(ひょうぼう)する「美肌県」と、特産農産物を同時にアピールできる商品になると期待している。

 神紅は県が2008年から10年かけて生育した品種。種がなく皮ごと食べられることや鮮やかな紅色が特徴で、県内7市町に38人の生産者がいる。

 県などは生産過程で摘み取られる、葉の付け根のわき芽が伸びた「副梢(ふくしょう)」に着目。栽培期間の4~9月に常に発生し、日光の吸収の妨げになるため年間で約3トンが廃棄される。島根大の研究によると、副梢には抗酸化作用を持つポリフェノールが多く含まれており、紫外線による肌トラブルを防ぐ効果が期待できるという。

 副梢のエキスを使った新商品「ハンドコンフィチュール」は、肌に付けるとみずみずしい潤いで満たされるような感触といい、神紅の甘いリラックスするような香りに仕上げた。

 県産地支援課の志田原崇グループリーダーは「ブドウとしてのブランド化を目指すだけではなく、さまざまな取り組みから神紅を通して価値を創出していきたい」と話した。

 神紅を育てる寺本果樹園(邑南町中野)の寺本直人さん(25)は「農家にとっては捨てるしかなかった副梢が、人々の魅力に変わることがうれしい」と喜んだ。

 ポーラショップや公式オンラインストアで1月20日に販売開始。50グラム入りで3850円。

(青山和佳乃)