出雲市大社町鵜峠(うど)で2日、恒例の正月行事「シャギリ」があり、地区に伝わる鵜峠神楽の演目を正月風にアレンジした舞が披露された。新型コロナウイルスの影響で過去2年は規模を縮小していたが、今年は3年ぶりに神楽衣装を着た鬼が地区内を練り歩いた。
シャギリは1955年ごろ、秋の例祭で奉納していた鵜峠神楽の一部を正月にも舞い始めたのが起源。悪い流れを断ち切り新しい年を迎えたい、との願いが込められているという。人口減少に伴う70~80年代の中断時期を除き、毎年続けている。
2021年、22年は新型コロナ対策で地区内にある神社や仏照寺の敷地内での演舞にとどめたが、今年は従来の内容に復活。笛や太鼓、鼕(どう)の演奏に合わせて鬼が練り歩き、計4カ所で迫力ある舞を披露した。その後、住民ら約30人が地区に伝わる鵜峠舟歌を歌った。
衣装を着て演舞した、漁師の小山智広さん(43)は「他の集落からも見に来てくれ、人の出が戻ってきたように感じる。この行事がずっと続いてほしい」と話した。
(黒沢悠太)













