松江を拠点に活動するイラストレーターねころびさん(29)が、山陰両県各地の景色の中に女子高生を描いたアニメ画集を2月に発刊する。「聖地巡礼のような、若い世代が山陰に訪れるきっかけになってほしい」と準備を進める。
八重垣神社(松江市佐草町)の鏡の池、大山寺(鳥取県大山町大山)周辺を和傘や灯籠で彩る「大山の大献灯」など、島根県東部と鳥取県西部を舞台に、オリジナルキャラクター「さと」を溶け込ませた。
舞台となる場所に足を運び、写真撮影しながらキャラクターの動きや絵の構図を決め、デジタルイラストとして描き出す。
若い世代にとって主な情報源となりつつある交流サイト(SNS)で作品を披露する中、鑑賞者とつながる手段の幅を広げ、印刷物ならではのリアルな色彩で地域の魅力を発信しようと出版を決めた。「イラスト集の出版は集大成ではなく、入り口にしたい」と展望する。
松江市出身で高校卒業後、進学に伴い上京。就職したテーマパーク運営会社の業務でイラストを描くようになり、腕を磨いた。2020年に帰郷後、会社員として働きながら活動を続ける。画集は今井出版(米子市富益町)が出版し、山陰両県の主要書店に並ぶ予定だ。
山陰両県の別の地域を舞台にした出版も構想する。「若者に向けたコンテンツを広げていきたい」と今後の活動に意欲を燃やす。
(大迫由佳理)