50年育てた山を50年後にも―。戦後に植樹された人工林が成長して潤沢な〝資源〟となり、国産木材が伐採の時期を迎えている。長年、海外産に押されて低迷が続き、近年は木材価格の高騰「ウッドショック」でも市況に振り回された林業界。大型機械の導入や、消費者とのつながりを深め付加価値を生み出す取り組みなど、競争力を付ける事業者が現れ、変化の兆しが見え始めた。

 木々が左右に迫る砂利道を抜けると、切り株ばかりの土地が広がった。2022年11月、岩手県洋野町の山中。ドイツ製の高...