地域産業の振興と科学技術の向上に寄与した発明者を顕彰する「中国地方発明表彰」の本年度の受賞者がこのほど決まった。山陰両県関係では、雲南市に主力工場がある厨房機器製造のホシザキ(株)(愛知県豊明市)が2位の特許庁長官賞に、メッキ処理加工の(株)アサヒメッキ(鳥取市南栄町)が4位の中国経済産業局長賞に、それぞれ選ばれた。
ホシザキは「食器洗浄機における排水熱回収装置」の開発で、中央研究所第二設計課の基常幹雄さんら計6人が受賞した。食器洗浄機の排水パイプの内側にらせん状の給水パイプを配置し、排水がその内側の空間を流れる仕組み。高温の水の排水時にすすぎ用となる水を温める効率的な熱交換で、省エネを図る。
アサヒメッキは、ステンレス鋼の加工時の痕で発生する色ムラを研磨処理で抑える「化学発色法による発色ステンレス鋼の製造方法」で、川見和嘉技術部長ら7人が受賞した。
表彰は公益社団法人発明協会(東京都)が主催。全国8ブロックに分け、個人や企業の発明を顕彰する。本年度は鳥取市内で表彰式があった。
そのほかの両県関係の主な受賞内容は次の通り。
日本弁理士会会長賞=桃色調味料(ブリリアントアソシエイツ(株))▽鳥取県知事賞=初動負荷トレーニングマシン((株)ワールドウィングエンタープライズ)▽島根県知事賞=航空機エンジン部品の製造方法(日立金属(株)安来工場)▽鳥取県発明協会会長賞=森林火災の延焼を抑止する航空消火システム((株)イルカカレッジ)▽島根県発明協会会長賞=農用トラクタのフロントグリル構造(三菱マヒンドラ農機(株))▽発明奨励賞=排水処理負荷軽減装置を備えた生ゴミ分解処理システム(藤森産業機械(株))、自動図化AI(アイコンヤマト(株))、農業用高所作業機のクラッチ固定装置((有)河島農具製作所)、キチンナノファイバー配合製品(大村塗料(株))、枕地旋回作業機昇降報知制御(三菱マヒンドラ農機(株)、菱農エンジニアリング(株))