【松江】松江市美保関町に伝わる民謡「正調関乃五本松節」の唄い初め式が11日、松江市美保関町美保関の美保神社であり、関乃五本松節保存会(鷦鷯順会長)の会員20人が拝殿で唄や踊りを奉納した。
正調関乃五本松節は江戸時代、美保関に入港する船乗りが目印にしていたクロマツを松江藩主が伐採したことへの抗議と、残された松が末永く栄えるように願った唄とされる。
唄い初め式は保存会が会員の技術向上を図るために新年に開く恒例行事となっている。今年は保存会本部や各支部の代表者が参加し、順番に重厚感ある響きの三味線、軽快なリズムの太鼓とともに伸びやかな唄を披露。参拝客は足を止めて聴き入った。
今回は拝殿内で初めて免状授与があり、昇格した出雲美枝乃丞(みえのじょう)准名人が免状を受け取った。
保存会の三角邦男副会長は「コロナで思うように練習できなかった面もあるが、神前で緊張感を持って奉納できたと思う」と話した。
(山本貴子)