倉吉市の成徳(せいとく)、灘手(なだて)両小学校を統合して4月に開校する小学校の名前が「成徳」と決まった。市のシンボル・打吹山(うつぶきやま)の麓にある成徳小が統合され「至誠(しせい)」と校名が変わるとの方針が当初示されたことにも、思い切った判断だと驚いていたが、結末には言葉を失った。校名再考を求める市民運動を経て「打吹至誠」で決着かと思いきや、土壇場の市議会の判断は「成徳」の名前を守ろうとの力が働いたのかという印象だ。
そもそも、山陰両県内でも鳥取、米子、倉吉3市の中心市街地の小学校は、地名でなく理念と思われる校名が目立ち、関係者の思い入れが強かろう、と想像していた。鳥取の醇風(じゅんぷう)、遷喬(せんきょう)、日進(にっしん)、米子の啓成(けいじょう)、義方(ぎほう)、明道(めいどう)、就将(しゅうしょう)、倉吉の成徳、明倫(めいりん)といった例だ。例えば、醇風は...