鳥獣を捕獲する散弾銃の撃ち終わった薬きょうを再利用した、カラフルなキーホルダーが、珍しさとしゃれたデザインで人気を集めている。着物のリメーク雑貨などを販売する「和工房ちどり」(松江市北堀町)店主の佐藤紀子さん(47)が「捨てるのはもったいない」と手がけた。
空の薬きょうはプラスチック製で、長さは約7センチ。色や側面のロゴなどはメーカーによってさまざまで、好みに合わせて選ぶ楽しさがある。汚れを拭き取り、キーホルダー用の金具と本体をイノシシ革で結んで作る。1本千円。
狩猟免許を取った夫が初めて撃った際の薬きょうを「記念として身につけられるものを作ってあげよう」とキーホルダーにして渡したところ、普段使いのかばんにも似合うと喜ばれたことがきっかけになり、2021年秋に販売を始めた。
通常、空になった薬きょうは廃棄されるが、夫の猟仲間に譲ってもらっている。傷や端にほつれがあるイノシシ革も「もったいない」という思いからアクセサリーに加工する。
佐藤さんは「薬きょうに触れることはめったになく、傷のある革はイノシシが生きた証し。手に取ってもらえるとうれしい」と話している。
問い合わせは和工房ちどり、電話070(3143)9911。
(山口春絵)