FC神楽しまね
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 日本フットボールリーグ(JFL)は23日、理事会を開き、松江市を拠点とするサッカークラブ・FC神楽しまねの2023年シーズンの参戦を認めないことを決めた。経営難に陥っている運営会社が未納となっているリーグ年会費やスタッフ、選手の未払い分給与を支払っていないことなどが理由。クラブは近く今後の活動方針を決める予定。

ニュース追跡 神楽しまね 経営綱渡り 示されぬ改善策、方向性 地域密着 目標共有を

 JFLは、年会費と未払い分の給与(計5300万円)の支払いが23年シーズン参戦の前提としており、理事会後の会見で加藤桂三理事長は「支払い関係については、一切実行されなかった」と説明。FC神楽しまねはJFLを退会し、3月に開幕する新シーズンは昨季より1チーム少ない15チームで行うことになる。

 JFLの決定を受け、クラブの運営会社・松江シティFC(松江市灘町)の久保田俊也取締役は「クラブが約束したことを守れなかったことが(退会決定に至った)一番の原因。ファン、スポンサー、チーム関係者には申し訳ない気持ちでいっぱい」と話し、近日中に開く役員会で今後の活動方針を話し合うとした。

 仮にチームが存続する場合も順位以外でのJFL退会となるため、中国リーグに参加することはできず、県リーグなどから再スタートを切ることになる。

 経営難によるJFL退会は12年のアルテ高崎に続き2例目。JFL以上(JFLからJ1)のリーグに所属するチームがない都道府県は福井県、和歌山県に次いで島根県が3県目になる。

 

 FC神楽しまね運営会社の経営難
 2022年7月下旬に選手、スタッフの給与未払いが発覚。その後、7月分の一部のみが支払われた。11月上旬にはJFLが厳しい経営状況のままでは23年シーズンの参戦は難しいとの見方を示し、クラブから提出された再建計画書を基に審議を進めてきた。