FC神楽しまねのJFL退会が決まったことを受け、サポーターやかつて在籍した選手からはアマチュアトップリーグに上り詰め、島根県のサッカー界を引っ張ってきたチームの存続を願う声が相次いだ。
「週末に応援に行くのが楽しみだった。チームには何とか存続してほしい」
JFL昇格前からクラブのサポーターチーム「YELLOW JACKET(イエロージャケット)」で活動する会社役員、長谷川尚史さん(46)=松江市天神町=は退会決定を知ると声を振り絞った。応援歌を作るなどチームに対しての思い入れは人一倍強く「情熱を注げるチームがなくなると寂しい」と苦しい胸のうちを明かした。
FC神楽しまねは、JFLに4季在籍し、島根県内でアマチュアトップレベルのプレーを間近で見られる環境をつくったほか、親子を対象としたサッカー教室を開催するなど試合以外での貢献度も大きかった。県サッカー協会の新宮博会長(71)は「FC神楽しまねがこれまで積み上げてきたものは消えない。願わくば、これからも県サッカー界をけん引して子どもたちに夢を与えてほしい」と期待した。
かつて主力としてチームを支えた選手も退会決定のニュースに触れ、寂しさを隠しきれない様子。主将を務めた4年間を含め、9年間在籍し、昨年12月にベルガロッソ浜田(中国サッカーリーグ)に移籍した田平謙選手(34)=大田市出身=は「今の自分があるのはFC神楽しまねのおかげ」と話し、プロ契約を結ぶなどサッカーに打ち込める環境を整えてくれたことに感謝した上で「恩返しする意味でも、いつか対戦したい」と話した。
(景山達登、小林竜大)