FC神楽しまねのこれまでの実績やJFL退会に至った背景を2回に分けて探る。
FC神楽しまねーJFL退会の波紋(下) プレー以外でも存在感 活動の行方 地域に影響
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「支払いが一切されておらず、スタートラインに立てていない」
23日に行われた日本フットボールリーグ(JFL)理事会終了後、加藤桂三理事長はFC神楽しまねの取り組み不足を厳しく指摘した。
退会という結論に至ったのは、期日(20日)までに1千万円の年会費と未払い分の給与を合わせた計5300万円を支払えなかったことが主な理由。クラブは経営健全化の裏付けとなる再建計画書をリーグに提出していたが、前提条件がクリアできなかったことで計画書の内容を本格的に審議する段階にすら進めなかった。
昨年11月以降、リーグと運営会社・松江シティFC(松江市灘町)が何度も調整を重ねて策定した再建計画書。大きな柱は、スポンサー収入の上積みと徹底した経費削減だった。
経費の中で大きな割合を占めるのは選手や監督ら現場スタッフに支払う報酬。その額は好成績を求めるあまり、経営状況が悪化する中でも増え続け、2021年はJFL初年の19年比で12・3%増、中国リーグ時代の18年比で73・8%増となる約7300万円に上り、経営を圧迫する大きな要因になった。
Jリーグが公表した21年の各クラブの決算資料を見ると、FC神楽しまねより人件費が低いJ3の...