衆院議会運営員会の理事らとの面会に臨む細田博之衆院議長(右から3人目)=東京・永田町、衆院議長公邸
衆院議会運営員会の理事らとの面会に臨む細田博之衆院議長(右から3人目)=東京・永田町、衆院議長公邸

 細田博之衆院議長(島根1区)が24日、衆院議院運営委員会の山口俊一委員長(自民党)らと議長公邸で会い、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)側との接点について説明した。自民党安倍派の前身である細田派の会長当時、国政選挙で教団票を差配したとの疑惑について「全くそういったお願いはしたことはない」と否定。これまでに公表した以外の接点はないとした。面会は非公開で、今後も記者会見は行わない考えを示した。出席者が明らかにした。

 与党は今回で幕引きを図る考え。山口氏は「(細田氏は)説明責任を果たした」と記者団に述べた。一方、立憲民主党の泉健太代表は党会合で「不透明の域を出ない。なぜ公の場で説明しないのか」と批判した。同党は引き続き追及する方針。

 説明は各党の議運委理事らの質問に答える形で実施。自民の宮島喜文氏は初当選した2016年参院選で細田派を通じて教団側から組織票の支援を受けたとされるが、細田氏は自身の関与を否定。教団による働きかけで政策がゆがめられたことがないか問われ「議長就任前も後も決してない」とした。教団の霊感商法を巡り、以前は行われていたが、最近はないと思っていたと語った。

 議長就任前のことを巡り会見するのは適切ではないと主張し「過去のことについて、議長の立場で会見し答えるのはふさわしくない」と述べた。

 19年10月、教団の友好団体が主催した会合で「会の中身の内容をさっそく安倍晋三元総理に報告したい」とあいさつしたことには「リップサービスだった。安倍氏には報告していない」と釈明した。

 細田氏は質問に5~6分かけて回答し、面会は約1時間に及んだ。山口氏は「(今まで)話題になっていたような話は全て出た」との認識を示し、議運として追加で説明を求める考えはないとした。

 細田氏は昨年、自身と教団との関係を巡り、教団側会合に出席、あいさつしたのは計8回だったなどと衆院議運委理事らに会って説明していた。野党からは不明な点があるとの指摘が出ていた。