平穏を願いながら冷水をかぶる僧侶=出雲市馬木町、馬木不動尊光明寺
平穏を願いながら冷水をかぶる僧侶=出雲市馬木町、馬木不動尊光明寺

 【出雲】日蓮宗の僧侶が冷水をかぶって身を清める「水行式」が28日、出雲市馬木町の馬木不動尊光明寺であった。参拝者約100人が見守り、凍えるような寒さの中、僧侶6人が経文を唱え、世界平和や五穀豊穣(ほうじょう)を祈った。

 1975年に始まり、毎年1月28日の初縁日に合わせて実施。前日からの雪が積もった境内にむしろを敷き、100日間の苦行「大荒行」を経験した土井裕翔住職(47)や、県内から集まった僧侶が「水行肝文(かんもん)」を気迫に満ちた表情で唱えながら、手おけで何度も水をくみ上げて、勢いよくかぶった。

 参詣者は、水しぶきを上げて一心に修行する僧侶の姿に手を合わせて、願掛け。毎年訪れるという三島藤一さん(71)=出雲市渡橋町=は「一年間の健康を願った」と話した。

(黒沢悠太)