伸びやかなメロディーで町民を魅了するピアニストの各務美香さん、バイオリニストの岡野志穂さん=鳥取県江府町江尾、町役場
伸びやかなメロディーで町民を魅了するピアニストの各務美香さん、バイオリニストの岡野志穂さん=鳥取県江府町江尾、町役場

 鳥取県江府町が、町防災無線から流れるメロディーチャイムの曲変更を検討している。使用する録音テープの経年劣化で放送時の音が悪くなり、いっそ曲ごと変えて気分一新という話になった。5日に江府町役場で候補曲の生演奏を聴き町民に投票してもらうコンサートがあり、70人が今後の暮らしに関わるとばかりに童謡や歌謡曲、クラシック計37曲を熱心に聴いた。

 町総務課によると、防災無線は町内に33カ所あり午前7時、正午、午後5時、同9時の計4回、チャイムを流す。曲は正午が「山の音楽隊」、午後5時は「江府町賛歌」で、ほかは季節に合わせて変える。

 ピアノ伴奏に合わせ町の合唱団が歌う江府町賛歌は40年以上は使われ、ほかの曲も古いことには変わりはない。テープの劣化で町民から「音が外れている」などと指摘があり、職員間では曲の変更も考えようとの意見も出ていた。

 防災無線を担当する総務課の梅林徹主幹が昨夏に町内であったイベントで、倉吉市のバイオリニスト岡野志穂さん、江府町のピアニスト各務(かがみ)美香さんの演奏を聴いたのをヒントに、投票用コンサートを企画した。

 5日は岡野さんと各務さんが昭和歌謡やディズニー、ジャズを伸びやかに披露し聴衆を魅了。参加者が掲示された模造紙にシールを貼って投票した。地元の奥大山江府学園6年の矢野想介君(12)は「いい曲がたくさんあった。どんな曲が流れるのか楽しみ」と声を弾ませた。

 投票で昭和歌謡「上を向いて歩こう」、ディズニーの「小さな世界」「星に願いを」が上位3曲に。検討や事務的な手続きを進め23年度以降、1カ月間程度の試験放送を経て決める。