葉ワサビを手摘みで収穫する大庭敏成さん=島根県津和野町左鐙
葉ワサビを手摘みで収穫する大庭敏成さん=島根県津和野町左鐙

 しょうゆ漬けの原料となる葉ワサビの出荷が、津和野町左鐙の農業大庭敏成さん(45)方のハウスで最盛期を迎えている。独特のぴりっと辛い風味と、つんと鼻に抜ける刺激で料理を引き立たせる名脇役。3月末まで作業は続く。

 大庭さんは日原わさび生産組合(34人)の組合長を務め、ハウス10棟、約15アールで葉ワサビを栽培。1月初旬から手摘みで収穫し100グラムずつ袋詰めにして地元のフロンティア日原山菜加工場(津和野町河村)に出荷する。

 葉ワサビは加工され、町内の道の駅や土産物店で瓶詰のしょうゆ漬けとして販売される。

 加工場の村上一真工場長(54)は「ワサビのしょうゆ漬けはこの地方独特の家庭料理だったが近年、土産物として定着した。東京の料理店や日比谷しまね館からも引き合いがある」と話す。

 大庭さんは「寒さの影響で生育が遅れたが、作柄は平年並みで推移している。若い生産者も育ってきたので生産増加に努めたい」と意欲的に語った。

 (青木和憲)