【津和野】国の重要文化財、島根県津和野町鷲原の鷲原八幡宮本殿、拝殿、楼門の計3棟の修復工事に伴い、神楽殿へのご神体の仮遷座祭が25日夜、関係者50人で厳かに執り行われた。
宅野裕司宮司(63)が祝詞を奏上した後、神職10人で、650年にわたり現本殿に鎮座していたご神体の入った唐櫃(からひつ)を担ぎ白い覆い布で周囲を隠しながら神楽殿に運んだ。
今回の修復工事は社殿を所有する「宗教法人八幡宮」の建造物保存修理事業。2022年度から29年度まで、総事業費は約8億7千万円を見込む。
鷲原八幡宮は本殿と楼門が室町時代、拝殿は江戸時代の建築。毎年4月の第1日曜日には勇壮な流鏑馬(やぶさめ)神事があり、多くのファンを魅了する。
総代長の三浦利三さん(66)=津和野町高峯=は「氏子が総力を挙げて取り組んだ。仮遷座をつつがなく終えられてよかった」とほっとした様子。
宅野宮司は「ご神体を仮遷座したので安心した。8年間にわたる修復が事故なくできるよう祈願した」と話した。
(青木和憲)