安来、雲南両市内でジャパン・リニューアブル・エナジー(JRE、東京都港区)が計画する風力発電事業の住民説明会が11日、安来市内であった。来場者からは、低周波による健康被害を懸念する声や事業終了後の原状回復について問う声が上がった。
主な質疑応答は次の通り。
【問】なぜここなのか。ほかの適地も探したのか。
【答】県内、県外を含めて他の場所も調べた。売電先となる中国電力ネットワークへの連係線が遠くないか、風車が運び込めるかなどを考慮し、大出日山と日向山が最適だった。
【問】住民のメリット、デメリットは。
【答】事業者なので、メリットばかり言うのではないかとの声も聞く。デメリットがどこまであるか、どこまで回避できるのか、調査させてほしいというのが今の段階。必要性も踏まえて説明していきたい。
事業が進み、皆さんの理解が得られるなら、発電のみならず地域貢献事業も行う。他県での風力発電事業だと、企業版ふるさと納税や集会所のリフォーム、農道復旧などの実績がある。
【問】他県での風力発電事業で、今まで健康被害の訴えはないとのことだが、どう調べているのか。
【答】ヒアリングやアンケートの形を取っている。風力発電は日々、メンテナンスが必要なため現地に管理事務所を置き、地元とコミュニケーションを取る。
【問】低周波はどの程度のもので、どの程度の範囲まで届くのか。
【答】今後、お示ししたい。今回の説明会は時期尚早との声もあったが、計画を広く知ってほしいと考えて開いた。不安を聞いて調査にしっかりと取り入れたい。
【問】20年後に風車を撤去して原状回復するとのことだが、20年後に貴社は存続しているのか。
【答】大手石油製品販売会社が親会社で、強い後ろ盾になっている。もし風力発電事業が頓挫しても、親会社が責任を持って対応するということを約束してもらっている。
【問】原状回復は、どのようにするのか。
【答】風車を撤去し、植林して山に戻す。ただ、切り土した場所に盛り土するかというと、それはしない。切り土して20年間たった地形に盛り土すると、山に負担がかかるためだ。
地元の理解が得られるなら、新しい風車に更新してまた運営するということもあり得るが、原則としては20年間で撤去だ。