ワクチン接種希望者にカレンダーを指し示しながら接種日を説明するスタッフ=松江市黒田町、泉胃腸科医院
ワクチン接種希望者にカレンダーを指し示しながら接種日を説明するスタッフ=松江市黒田町、泉胃腸科医院

 松江市の高齢者を対象に新型コロナウイルスワクチン個別接種の予約受け付けが18日、医療機関約90カ所で始まった。希望者が殺到し、夏までの予約枠の大半が初日で埋まる医療機関も続出。予約できなかった高齢者はため息をついた。 (中村成美、森みずき)

 泉胃腸科医院(松江市黒田町)は電話のほか屋外に臨時テントを設け、対応した。かかりつけ患者には電話予約を依頼していたが、接種当日の注意事項の説明など受け付けに1人当たり10分程度かかるため「電話がつながらない」と多くが直接来院。ピークには60人がテント前に並んだ。

 8月までに同院に割り当てられた予約枠約450人分の8割が午前で埋まり、泉大輔院長は「来院した人がかなりいた。電話だけでは対応できなかった」。

 野津医院(同市本庄町)では開院前の午前6時半ごろから車が並び、電話が鳴り続けた。総合病院からの問い合わせの電話を受けられない時間もできたほど。今後、日程調整があるが、野津立秋院長は「ここまでとは予想がつかなかった。業務時間を超えてやらざるを得ない」と負担感をにじませた。

 松江生協病院(同市西津田8丁目)は7月までの予約枠の7割が初日で埋まった。感染拡大を受け一日も早く接種を望む人が多く、石川順一事務次長は「電話する方も受ける方も大変。行政には地区や年齢で希望者を割り振るなど改善してほしい」と悲鳴を上げた。

 かかりつけ医で予約ができなかった人は落胆した。

 松江市西川津町の福田松子さん(90)は、副反応が出た時に安心だと、なじみの医院で接種を希望したが、行列を見て、予約を諦めた。「国は、早く接種しろと言うが、まずはきちんとワクチンを供給してほしい」と憤った。

 市によると、同日に始まった集団接種の第2次予約枠(計1万4940人分)は午後5時半時点で残り4991人分となった。電話がつながりにくい時間帯があったが、大きなトラブルの報告はなかったという。