オンライン交流会でボランティア活動の意義を再確認する参加者=大田市大田町、市民センター
オンライン交流会でボランティア活動の意義を再確認する参加者=大田市大田町、市民センター

 災害の復興支援で生まれた地域のつながりを深めようと14日、大田市や石川県輪島市、熊本県八代市をオンラインでつないだ交流会があった。島根県西部地震(2018年)や能登半島地震(07年)に見舞われた地域で、参加者は被災者の心を支える一助となる、かばん作りなどボランティア活動を報告し合った。

 3市を結んだのは、能登半島地震で被災した輪島市の災害ボランティアの会が東日本大震災(11年)以降、着物を仕立て直した「和みバッグ」を被災地に送る活動を始めたのがきっかけ。島根県西部地震に遭った大田市内にも送られ訪問活動で役立った。大田市内でも同様の取り組みとなる「ひよりぶくろ」の製作が始まり、豪雨災害(20年)のあった八代市にかばんを送った経緯がある。

 交流会には大田市から市社会福祉協議会の職員やかばん作りに携わる市民が参加。被災者にかばんを手渡す際のやりとりが災害を少しでも忘れる時間になるとの報告や、防災ポーチを高校生に配り意識向上を図っているといった事例紹介があった。

 大田市大田町の主婦安野怜子さん(70)は「他地域の状況を知るのは励みになる」と話し、4月に発生5年を迎える島根県西部地震を風化させないためにも、無理のない範囲で活動を続けることが大切とした。
      (曽田元気)