【出雲】画家の佐藤收男(かずお)さん(81)=出雲市大社町杵築西=の初の個展が、今岡美術館(出雲市天神町)で開かれている。出雲神楽や石見神楽といった伝統芸能を主題に描いた油彩画や木彫り面など、精魂込めた作品が目を引く。26日まで。
佐藤さんは、幼少期から出雲大社の正月行事「吉兆さん」や奉納神楽の笛、太鼓などを聞いて育ち、大社高校時代にデッサンを学び始めた。伝統芸能の魅力を伝えようと約60年間、神楽を中心に描いてきた。
会場には大土地神楽や石見の夜神楽、鷺浦のしゃぎりなどをモチーフに描いた130号(縦1・94メートル、横1・62メートル)の大作がずらりと並び、躍動感のある神楽の場面がキャンバスいっぱいに表現されている。
鳥取県江府、琴浦両町にまたがる烏ケ山などの風景画もあるほか、神楽に関する木彫り面も展示。佐藤さんは「60年間の作風の変化を楽しんでほしい。これからも伝統行事をテーマに描き続けたい」と話した。
開館時間は午前10時~午後5時。入館料は一般600円、65歳以上500円、高校生以下無料。月曜日は休館日。
(佐野翔一)