集荷場に持ち込まれたばかりの新鮮なタケノコを求める客(右)=安来市島田町、島田加工農業協同組合
集荷場に持ち込まれたばかりの新鮮なタケノコを求める客(右)=安来市島田町、島田加工農業協同組合

 【安来】安来市島田町の特産「島田たけのこ」の出荷が本格化した。今シーズンは隔年で不作となる「裏年」に当たるが、豊作の「表年」ながら振るわなかった前年以上の出荷を計画する。今月末までに8・7%増の25トンを神戸、西宮(兵庫県)の市場に出荷し、販売額は16・7%増の1400万円を見込む。

 島田加工農業協同組合(岩崎義明組合長、37人)によると、江戸後期の1807年、清水寺(安来市清水町)に持ち込まれたモウソウチクを住民がもらって植えたのがルーツ。粘土質の赤土がタケノコに適し、間伐や草刈りをして肥料を与えるため、繊維が細かく軟らかいのが特長。高値で取引され、料亭や旅館で使われるという。

 本年産は前年より2日遅い3月15日に初出荷。組合の集荷場に朝採れが持ち込まれ、出来栄えや重さで選別して箱詰めされている。5日からは毎日出荷し、集荷時間の午後1時~1時半ごろには直売もする。

 境港市から訪れて買い求めた井田幸子さん(84)は「タケノコといえば、島田たけのこ。下の方まで軟らかい」と話した。

 組合は16日午前9時から、道の駅あらエッサ(安来市中海町)で「たけのこまつり」を開きPRする。

 (桝井映志)