勤務中に心肺停止となった同僚を、現場リーダーの適切な対処で救命したとして出雲市消防本部がこのほど、同市斐川町上直江の出雲村田製作所に感謝状を贈った。従業員の救急時の対応力向上に、社を挙げて努めている点を踏まえた。
2月13日未明、作業中の40代男性が意識を失い心肺停止となった。異変に気づいた現場リーダーの山田竜也さん(36)が周囲の同僚と連携し、心臓マッサージや自動体外式除細動器(AED)で応急処置をするとともに119番した。その後、男性の意識は回復し後遺症もないという。
同社は2011年に従業員の救命講習を開始。社員5100人のうち応急手当てを指導できる普及員が約170人いる。迅速に対応できるよう講演会も開き危機管理体制の充実を図る。
山田さんは「無我夢中だった。訓練が救命につながり良かった」と振り返った。出雲市渡橋町の消防本部で、竹田豊消防長から感謝状を受け取った同社の谷口育男社長(58)は「陳腐化しないよう今後も体制を整えたい」と話した。(佐野翔一)